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あるとき、誰かが夢を見た。
(何時かの時刻を知らせて迫り出される陶器人形がお辞儀一回、)
(ノイズ混じりの合成音で語りを始めた)
さあお客様、おはようございます。
「私」たちの夢は如何でしたでしょうか?
「私」はこれまで見てきた夢を煙と共に辿り行き、きっとあの首に行き着くことでしょう。
「私」は忘れっぽく優柔不断ながら、そのぐらいのことはやってのける「私」です。
しかし、そこからどうなるのかは今まで彼らと共に夢を辿ったあなた次第。
ヒントは全て彼らの夢に詰めたつもりです。
さて、このような奇特な日記紹介、賛否両論があるだろうことは存じております。
もしも当方が誰かにとって何かのきっかけ・出会いになれたのなら、それはこの日記が始めに掲げた目的を達成できたことになります。それこそわたしが望んでいた結果。
しかしもし当方が誰かに不快な思いをさせてしまったのだとしたら、それもまたひとつの結果であるのでしょうね。
賛も否も併せわたしはこれら全てを受け入れます。
パロッテ・トゥ・ラシャの夢は予定していたよう8月末までの期間限定日記として区切り、
パロッテ・トゥ・ラシャの夢としての再開はないでしょうけれど、何かあれば問い合わせてみて下さい。
勿論、何もなくとも構いませんが。
おすすめの日記であるとか、リレーやらないかだとか他愛ないことでも持ち込んで下されば喜んでお相手させて頂きます。
夢の余熱がさめる頃、また蛇足に参るかもしれません。
これまで足を運んで下さったお客様、わたし共を招き入れて下さった家主及び紹介者の方々、素敵な日記の数々、最後にこのnikkijam
今あるパロッテ・トゥ・ラシャの夢はあなた方の誰が抜けてもなかったでしょう。
この日記を通じて沢山の方々と知り合い、いつも見ているばかりだった方と言葉を交わすこともできました。
立ち上げたことを心の底から正解だったと思えるのはいつもそんな時です。皆様の言葉にはいつだって励まされるばかり。
言葉では伝わらない程の感謝の意を胸に、本当にありがとう。
あなたの幸せなjamライフ、そして痺れるような夢を願って。
それではまた、どこかの夢で。
(再びお辞儀をすると陶器人形は時計の家へと帰っていく)
(辺りは秒針の音だけで、あなたはきっと目を覚ましてしまう)
(ほら、)
そこで、目が覚めた。 |
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(影の男は白い床一面にマジックペンで要領よく何やら書き込むと、私の視界は見事に濁ったものになった)
(どこからともなく色取り豊かな煙が現れ、それが辺りに立ち込めているのである)
(煙は彼によるもので魔法使用の際の副産物みたいなものかと思ったが、彼がそんな気の利いたことをしたわけではないらしく、『君にはなかなか仲間が多いようだ』とマジックペンの手を止めた)
『ともあれ、さあ扉は開いた!
首だけ男の身体――――ううむ、これも言い得て妙なのだが――――とにかく彼の身体を見つけたら、大声で知らせるでも踊るでもして私に合図を送るんだ。それらしい動きがあっり次第私は君を引き上げ、目的地まで飛ばしてあげよう。
なあに、誰に見られる心配もない。これは君だけの物語だからね。
扉はその陣の中心だ。そこに乗るだけでいい。
あとはこの煙が記憶した風に任せて、頭の中はそのブロック塀の道を意識するんだ』
(彼は捲し立てるよう急いでそう説明して、私に扉へ立つよう促した)
(のっぺりと目も鼻も口もない顔がどんな表情なのかはわからない)
(私は最後にこの魔法使いの名前を知りたかった)
『名乗るほどの者じゃないよ』
(キザっぽくそう言ってみるも、自分で言って恥ずかしくなったのか、影の男は観念したように、)
『ペンタリットだ。さあ早く』
(そう私を急かした。当然、彼の手はあの頭を掻く仕草をしていた)
(ありがとうペンタリット、もう一度今度は名を添えて言った)
(ペンタリットが呪文らしきものを口にした)
(煙がそれに呼応するよう私の周りで渦を巻く)
(そして向かうのだ)
(あの憎まれ口ばかりの首だけ男、パロッテ・トゥ・ラシャの元へ)
そこで、目が覚めた。 |
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さあもうたそがれの時間は終わりだよ
濃厚な闇が駆け巡り、人を狂わす紅い満月が昇ってしまう
それでも蝋燭の灯りだけ頼りに果てを目指さなくては
もしも目印を見失うことなく出口に辿り着いたなら
鏡はきっと深く海の底にも光をもたらしてくれる筈
歯車もゼンマイも必要ない
反射光のスポットライトに踊らされながら
全てこの意志によるものだって、その身体操る観客を笑ってやるのさ
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さあもうフィナーレの時だ
幾多の少年少女がそうしたよう、
屋上から青空に向かって叫んでやれ
この鳥籠を出る時まではもうあと少しだと
ラジオの吐き出す言葉はきっと味方してくれる
音楽に乗って、「勇者を信じていた頃なんておとぎ話だった」なんて言わせないよう、蹴りのひとつでもくらわせてやるんだ
チェリーの実を片方かじって陽気な日常にさよならするのはつらいだろうけれど
愛する家族もかつての仲間もみんなどこかで生きている筈さ
砂糖のように甘いキスがなくても愛の香はいつでも残ってある
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(私はパロッテ・トゥ・ラシャと初めに出会った場所へ行こう)
(そして彼の頭と身体をくっつけてやるんだ)
『それが君の望み?』
(私が言うと影の男はきょとんとした顔で、背けていた首をひねって私に向き合った)
『そんなことをして彼に怒られないかな』
(彼は「君は今から僕の道具でも何でもなくなった」と言ったんだ。「これからは好きな所へ行くといい」ともね)
(だから私はもう彼の2つ目の道具なんかじゃあない)
(これから私が何をするのも私の勝手なんだ)
『じゃあ好きなことすればいいじゃない』
(そういうわけにもいかない)
(たぶん私はパロッテ・トゥ・ラシャの身体を繋ぐためにここへ来た)
(今から初めまで戻るのは時間がかかるし、間に合わないかもしれないけれど)
(そうしたいのだ)
(それが最初から願ってきた私の望みだから)
(すると影の男は暫く腕を組んだポーズで考え事をしているようだった)
(パロッテ・トゥ・ラシャと出会った場所へということは、この夢から離脱することであり、同時に叶えてもらった全てが無駄になるということだ)
(虫がいい申し出だったろうか)
『金はもういらない?』
(せっかく出してもらったけど、もう私には必要ないみたい)
『城も宝石も、覚え切れないだけの友人も?』
(私は元々流れ者だから、重すぎる荷物だったようなんだ)
(本当に、色々してもらったのにごめんよ)
(私がそう告げるのと同時に、私の周りを囲んでいた一切が消えた)
(魔法使いが魔法を解いたのだ)
(ありがとう、と私は心から感謝の気持ちを伝えた)
(しかし次に彼の口から出たのは私にとって意外な台詞だった)
『さあ、僕に頼んでおくれ』
『私に彼の身体をどうこうすることはできないがね。なあに自分でも言っていただろう。今からひとりでやるのは大変だ』
(影の男は最後まで魔法使いの素振りでおどけた)
(私をパロッテ・トゥ・ラシャの身体の元へやってくれ)
『よしきた。そういう願いを待っていたんだ』
(ステッキ代わりのマジックペンを手にして、影の男は見えない唇の端に喜色の色を浮かべた)
(最近は大金持ちになりたいだのライバルを消してほしいだのありきたりな願いばかりでさあ、とまた調子のいいことを言う)
『その願い、叶えましょう』
(影の男は魔法使いらしく丁寧に片足を引き深々と頭を下げた)
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(こんな光景を見た)
(私が最後に立ち寄ったあの店で、私を見送ったままミーコちゃんは座っている)
(そしてあの不思議な店主が戻ってきてこう言うのだ)
『お探しのものは見つかりましたか』
(と、彼は相変わらず温和な顔でいる)
(ミーコちゃんは1冊の本を大事そうに抱え込んで、ひとつ小さく頷いていた)
『それはよかった』
(店の主は奥から取ってきた小瓶を、カップの置かれた机の上に載せて示した)
(あの小瓶、)
(小瓶には私がパロッテ・トゥ・ラシャと共に回った夢の断片が詰められている)
(当初は海に流すという目的があったのだけど)
(結局は果たさなれないままに置かれたあの小瓶だ)
(店主が小瓶のフタに手をかける)
(2回3回とくるくる回されて、閉じられていた封が開くと)
(何もないように見えた小瓶から煙が立ち上った)
(次々に色を変えていく七色の煙は、店いっぱいにふくらんで)
(居場所をなくしたように、目的地を目指すように)
(店主が開け放った窓から出て行った)
(2人はそれを静かに見つめ、)
『お茶のおかわりはいかがです』
(どちらともなくそう切り出すのだった)
(勿論この場にいない私には知るよしもない夢の話だ)
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あるとき、私は夢を見た。
(こわいのはいつだって自分のこと。だって、私はあの子がいなくてもこんなに笑える)
(記憶が物語にすりかわっていくのがこわかった)
(あの子を救い出したいなんてたいそれた自己満足は口にしないだから、せめてあの子の助けになりたかった。それも全部自分のためなんだろうと言われれば反論できない。だってこのままだときっと私は逃げ出した私をいなかったことにしてしまう。あの子を「隣に住んでいたあの子」にしてしまう。勝手にアルバムにしまって、あの子たちは仲がいいきょうだいだったって、それできれいに忘れてしまう)
(それだけは嫌だ)
「どうしておこしたの」
「ぼくはずっとねむっていたかったのに」
「ぼくからねえさんをとるきなんだね」
(君を君のお姉さんから引き剥がすのは私にちがいない。君は2度もお姉さんを失うことになる)
(それをゆるしてくれなんて言わない)
(だって私はミーコちゃんの、君のお姉さんの弾くピアノも好きだったけど)
(君が歌う声だって好きだったんだ)
「全てのものに終わりは訪れる」
(だがまだ破綻するわけにはいかない。せめて全てが終わるまでは)
(私が何のためにここへ来たのか思い出せ)
(『あの子』なんて突き放した呼び方をしないで あの子の名前は )
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(私は彼女が微笑んでいる間もずっと、今度はいつ会えるかばかり考えている)
「いつでも、あなたが望むのならきっとまた会えるでしょう。
だってわたしはあなたの夢の中で、永遠に生き続けていくのですから」
(その答えがいっそうに悲しい)
(カップが空になった頃、)
(私はずっとミーコちゃんに訊きたかったことを訊いた)
(君は私を恨んでいるのだろうか、ということを)
(訊いていながらに彼女がそこで何と答えるか私はどこかで知っている)
(彼女はこう言った)
「どうして恨みましょう。あなたに何をされた覚えもないのだけれど」
(何もしなかったよ。だからそれが私の罪なんだ)
(ゆるされない、罪だ)
(俯いて、空になったカップの底を見つめると、まだ僅かに残った液体が光を反射していた)
(私が何かしていたら、君は少なくとも死ななかったんじゃないか)
「思い上がりね。
たとえあの日の待ち合わせ
あなたが遅れなかったとしてもきっとわたしはトラックに轢き殺されたでしょう。
今度は、あなたと一緒にね。
あなたが死ななかったこと、わたしはあの遅刻に感謝しているくらいですもの」
(違う)
(たとえばあの日に出かけようなんて提案しなければ)
(待ち合わせ場所が違っていたら)
(雨が降っていなければ)
(時間をあと1時間遅らしていたら)
(そもそも私なんていなかったら)
「許す許さないの問題で言うなら、わたしは最初からあなたを許していますよ」
(ミーコちゃんが私の言葉を遮ってそう言った)
(これは)
(これは私が一番言われたかった台詞。一番聞きたかった台詞)
(やっぱり君は夢の中の人なんだね)
(本物のミーコちゃんなら、私が何か言う前に平手で頬を張り飛ばしていた)
(どこか困ったように彼女ははにかんだ)
「全てのものに終わりは訪れる」
(あなただって知っている筈よ、と覗き込むように彼女が首を傾けた)
(ああ、それはパロッテ・トゥ・ラシャの言葉だ)
(だったら私は今まで訪れる終わりを捻じ曲げようとしていた)
(そうだ)
(私は終わる運命を捻じ曲げようとしていたんだ)
「あなたが今やるべきことは、わかっているでしょう?」
(私は、)
(私はそこで大きく頷いた)
(ミーコちゃんは、美衣子ちゃんは「よろしい」と満足げに髪を上げて)
(最後に手を振った)
「いってらっしゃい、しろうさぎさん」
そこで、目が覚めた。 |
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【ストロベリィ・ショートケーキ】様
address: http://www.nikkijam.com/user/135841/
【シュガーパイン】様
address: http://www.nikkijam.com/user/135883/
前者【ストロベリィ・ショートケーキ】様は森の奥の屋敷で、とある『きょうだい』2人を中心にした西洋風リレー。ほのぼのかつ切なく、『血の繋がらないもの同士の家族愛』を綴られるそうです。
一方後者の【シュガーパイン】様は仲の良い幼馴染の2人が、冗談で言った一言から恋愛を意識してしまう現代恋愛ものリレー。どこにでもいそうな等身大の高校生が困難を通じて進んで行くその心を描かれるようです。
どちらの日記も2人小説で、どちらもまだ本編開始待ちの始まっていない状態です。
こんな時に紹介をしようなんて無茶な話でしょうかね。
わたしは彼らについて設定や文章の雰囲気を窺う限りで、で紹介しました。両者とも募集時から気になっていた日記です。
ですからこれはまだ旅と称して出かけることが出来ない、個人的に始まるのが楽しみな日記ということになりますね。
紹介というより、どちらかといえば応援かな。
日記にこれを記すのは、たぶん「日曜髪を切りに行こう」とか「映画観たい」とか予定を書き込むのに近い心境です。
これから展開される物語に期待する気持ちを込めて。
nikkijamの人口はどんどん右肩下がりなように感じるこのごろ。
しかし去る者多きその中でも、新しい日記は続々と芽吹いていきます。
だから古いも新しいも新たな出会い、あなたのお気に入りの日記を見つけられれば良いですね。
……そう願わずにはいられません。
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