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| タイトル |
妃色の世界 |
今日の気分 | -正義が必ずしも善とは限らない- |
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どの国でも戦争など起こらず。
どの国でも飢饉などあらず。
どの国でも笑顔だけが溢れるこの世界で…
「暇!」
などと叫ぶ女子を緋呂の近しい関係では二人いた。
1人はツリ目。身長140前後。胸は貧しい。不適な態度が自分の力をけして決して過小評価せず。その評価に値する能力…を持ち合わせた少女。
そんな少女にしか見えない子供でも、かれこれ400年も生きているこの世界で最古の生粋の魔女である。緋呂が昔から可愛がってもらっていた隣の家の老婆も魔女ではあったが、人間との間に生まれた所謂ハーフで150年程生き、今年たくさんの人に笑顔を与える魔法を残して消えていった。400年も生きて、尚少女の姿を保っているこの魔女は本物なのだと緋呂は感じていた。世界が2回変革するのを目撃し、一度目は自分自らの手でこの世界を粛清したと豪語した彼女の達成感に満ちた綻んだ顔は玲瓏であった。
「世界は平和になった」
少女はそう語っていたのを緋呂は思い出す。
世界を変えた事のある人物が言うのだ。間違いは無いだろう。緋呂も世界は平和になったのだからそれで良いではないかと思う。正直な所、緋呂は魔法のひとつも叶えられず。何かしらの特殊能力を発動できるはずでもない。もちろん機械化された体でもなければ、月を見れば狼男なんかに変わったり、赤い血を飲む事が何よりの楽しみだという特殊体質でもない。
…生粋の人間。
そんな人物には何事も起こらない平和な世界が一番だった。何事かが起こったらそれこそ、何もできぬままに自分のようなか弱い人間はあっという間に殺されてしまうだろう何てことも重々承知であった。
だが、そんな世界を望まない緋呂と同じ生粋の人間のはずである一人の少女がいた。
名前は妃色。緋呂と同じ生粋の人間でありながら…おそらく世界中の誰よりも平和を望んでいない人物である。
なぜか---?
どの国でも戦争など起こらず。
どの国でも飢饉などあらず。
どの国でも笑顔だけが溢れるこの世界で…
彼女は、ヒーロー、ヒロインになりたかったのである。
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それにしても、ビデオカメラを録画状態にしたまま、発案者は一体どこへ行ってしまったのだろうか…ジッーというビデオカメラの音だけが聞こえてくる。このご時世、まだ8mmビデオを使うところが発案者の性格をよく表している。本人は『安かったから』と言っていたが、今の時代、8mmテープがどんな記憶媒体よりも高くつくことを本人は知らない。(※あくまでこの世界で…)
「やほー。皆、良い絵。とれてる?」
本人がどうやら帰ってきた……が、その隣には見知らぬ男を連れている。
「な・何者だーっ!!」
「緋呂…あからさま過ぎるぞ」
チェック柄のミニスカートが良く似合う。黙ってれば美少女だろう。ちなみに、緋呂と呼ばれた少年が惚れた女でもある。
「おい!妃色!その男は何者だ!」
「あーこの人?敵役よ敵役。ほら、見てよピッタリじゃない?」
ケラケラと笑いながら妃色と言われたその少女は隣の男子を突き出した。
「?」
「?」
そのピッタリの意味が分からずに緋呂と少女は顔を見合わせる。
「…どういう意味か分かるか?花子」
「花子って言うな。フランジェシカ。又はフランと呼べと何度言えば…」
「ごめん…花子」
「貴様はっ!」
花子………フランジェシカはセット用に作っていた小道具の星をひとつ手に持つと、勢い良くジャングルジムに聳え立つ緋呂に向かって投げ飛ばす。手裏剣のように回転をつけた星は緋呂の腹部へと命中する。…もちろん、緋呂の両手はあの蒼い月で塞がっている。避けられるはずも無いのである。
「だーかーらー!この人が今回の敵役のヒトシ君なのよっ!」
「あのね、妃色。私達が言いたいのは、どうしてその青白くて軽く叩いただけで、吹き飛びそうな子が今回の敵役に………はっ!」
フランジェシカは自分の言葉を頭で反復させながらとんでも無い事に気づいてしまったのである。当の妃色はニコニコ笑っている。
「…まさか…お主…」
「ん?」
「…青白い顔だから……か?」
もう一度言う、妃色はニコニコ笑っていた。
「そだよ。」
妃色のいる世界。今日も彼らの世界は彼女を中心に廻っていた。
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人間はおろか。魔女も。能力者も。そんな不可思議な人物ばかりが住まう世界。
こんなにも優劣がはっきりしてる人種達が何を思ったのか、同じ場所同じ土地で平和に暮らす世界。
そんな平和な世界に突如現れた【蒼の月】。
体に合わない大きなワイシャツに深紅のネクタイをだるく締め、
黒いスカートを靡かせた貧乳で幼児体型の少女はその鋭い眼を月へと向ける。
「200年に一度の…祭りだな…」
白銀の髪は蒼白く輝く月の光に輝き、その紅の瞳は不気味なまでに丸い月を見つめていた。口元は微かに微笑んでいるようにも見える。
200年に一度の災厄。彼女にとって…2度目のカーニバルの始まりである。
「…っくしゅん!…なぁ緋呂、ワシはいつまでこんな事をやってなきゃならんのじゃ」
良く見れば、その貧乳………では無い少女は、ビルの屋上を催したセットで手すりに見立てた鉄棒にずっと立っている。緋呂と呼ばれた少年の方は、蒼い月を両手に掴みジャングルジムに登っていた。
「知らないって。今度の敵はこの蒼白く輝いた月からの来訪者っていう設定なんだと…」
心なしか少年の手は震えている。そんなに高い場所に掲げなくても良いだろうにと少女は思う。この男はあの人物の為ともなると一生懸命になりすぎる感がある。
「何が設定じゃ…それに貧乳ってなんぞ!!まだまだ発展途上なんじゃ!それを何をっ!ま・まな板とでも言うのか!」
「そこまで言ってねぇ!っつか400年も生きてまだ発展途上って…」
少年が苦笑するのをキッと少女は見つめる。
「…希望を持つことは良い事だよ」
「希望ではない!約束された未来じゃ!」
「あと何年生きるつもりだよ…」
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2008/08/26(火)
現在執筆中のif...
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*登場人物*
-妃色(ひいろ)-
チェック柄のミニスカートが良く似合う。女子学生。容姿端麗、成績優秀。才色兼備。…唯一の弱点は、『自分が正義のヒーロー』であると思い込んでいる事である。あくまで女子学生、大学生なのか、高校生なのか、中学生なのかは知らない。一般人で何の能力も持たない健全な体だが、部の中で一番の自信家。自分が特別な人間であると信じてやまない中二病。
-緋呂(ひろ)-
妃色の忠犬。妃色に一目ぼれしている。よくもわるくも一般人。思春期まっさかりの反応をしてくれる。正義のヒーロー部の第二号。…妃色に誘われ、妃色も自分に気があるのかと思えば、誘った理由は『ヒーローの名前にふさわしいから』。それだけ。悪く言えば特徴が無い。良く言えば、魔女だろうが能力者だろうが差別をせずに喜怒哀楽をはっきりと示すので、普通じゃない人達からの受けがすこぶる良い。別名『ネゴシエーター』
-フランジェシカ・花子・オルソワーズ・シェルペ-
名前からも分かるとおり、かなり高貴な魔女。貧乳。幼児体型のくせに、400年以上生きている。世界が2度変わるのを目撃している。博学すぎて、現代の知識を誰よりも理解している。400年も生きているともう自分が何者であるのかなんてどうでも良くなってるようです。通称『ババァ』
たった三人の部活。
この平和な世界。
魔女すらもがあくびをするぐらい平和な世界。
彼らは自らを正義のヒーローと名乗り、平和な世界に正義を知らしめる為に暗躍するのである。
「手始めに幽霊を…」
「徐霊師に任せとけよ…」
「…じゃあ悪魔を…」
「退魔師っていう職業を知ってるか?」
「…悪はいないの!」
「400年も生きてる魔女があくびしながら恋愛マンガよんでるご時世にそんなモノはいねぇ!」
少しだけ、皆の知る世界とは変わった平和を築いた世界の話。
「悪がいないっていうのならば、悪を作って私が倒す!」
「…俺にはお前が一番悪に見えてきたぞ」
もし、平和な世界にヒーローが存在したならば…きっとこんな事をするに違いない…
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2008/08/26(火)
現在執筆中のif...
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彼女がいたのは夢の世界なのか…
自分で書いててよく分かりません。表現する事の乏しさを改めて痛感。
詩のように書きたかったのか…
小説のように書きたかったのか…
おそらく前者なのですが、よい案が出なかったデス。
彼がいた世界は彼の記憶の世界なのか…
言ってしまえば
隔たれた世界でも、どちらかの一方の想いしか届かなくても、思いは募る。
…最後までわけわかりません。言いたい事がまとまらなかった。
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「俺さ、からっからの夏は好きなんだけど、ジメっとした夏は嫌いなんだよな」
来る日も…
来る日も…
俺は彼女と一緒に過ごした。
幼馴染としてではなく恋人として過ごすはずだったこの夏の日。
あの日から、二人の何かが変わるはずだった…夏の日。
「ずっとずっと好きでした…付き合ってください」
君が目覚めるまで、俺は何度でも言おう。
君の事が好きだから、この思いは色褪せぬはずだから…
明日と言う日がくるのならば…その明日に、君の答えを聞こう。
-------
自宅療養となった後も、俺は彼女の家に毎日足を運んだ。
グラスに入った氷が溶けきってしまうまで、ずっと彼女の隣にいた。
彼女が夢現に聞いていることを信じ、俺はずっと彼女に話しかけた。
たくさんの場所には行けなかった…
恋人と言える事は何もできなかったと思う…
でも…
俺にとってこの夏は、いつもの夏とは違う夏だったことは確かだ。
「…夏休みが終わっちまうぞ」
何してんだよ。
彼女の手をとる。暖かい。彼女の薄紅色の唇を見つめた。
「…」
唇を重ねることで奇跡が起きる。そんな童話があった。
「悪い…」
目を瞑る彼女へつぶやく。
「順番…違うよな」
俺はずっと待っている。
彼女が微笑んで、俺の告白を受け入れてくれることを…
もし、俺のこの声が彼女に届いているのならば、きっと一緒に同じ思いを募らせてるはずだ。
でも…
彼女の答えを聞かない限り、俺に明日は来ない。
夏の日が終わる。
俺にはまだ…明日は来ない。
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外は快晴。
絶好のデート日和だ。
「…なぁ、お前はなんで目を覚ましてくれないんだ?」
俺は揺らぐ木々を眺めてそう言った。
ここから見える風景は俺と彼女が共有できるモノの一つ。
彼女が夢でもこの景色を見ているのだろうか?
誰と見ているのだろうか?
そんなところにいないで早く帰って来いよ。こっちには、きっと楽しい未来が待ってるぞ。
そう…言いたかった。
「なぁ…車椅子があるんだから…外にぐらい出れるんだろ?」
答えは無い。眠り続ける彼女へ俺は明るく言葉を囁く。
夢現でも彼女が俺の言葉に耳を傾けてくれているのならば…
俺はずっと彼女に言葉をかけ続ける。
「っつ。こりゃあ本格的に夏だな」
蝉の声が聞こえる。遠くの景色が揺らいでいた。
アイスキャンディを売るおじさんの周りには子供達が屯っている。
彼女はまだ静かに寝息を立てている。少しだけ滲んだ汗を軽くふき取ると、俺は車椅子を押し出した。
「こりゃ今年一番の暑さだな」
明日にはもっと暑い日が来るのかもしれない。だが、今はこれが一番暑い日。
「明日も天気が良いのかな。」
「…」
「なぁ、明日デートしようぜ?」
「…」
彼女からの返事は無い。でも、それで良かった。彼女にはきっと聞こえてる。
聞こえていれば、きっとどこに意識があろうと、俺と彼女は同じ時を同じ想いで歩んでいる。
…そう感じられた。
----------------
「やけに気合の入った服だよな」
「だって、今日はデートなんでしょ?」
彼女の母親が身なりを整えた彼女の髪を優しくとかしていた。
「ずっとずっと好きでした。付き合ってください」
彼女の母親が微笑みながら呟く。
「ありがとうね…本当に…」
それだけを言われて、車椅子に乗った彼女を手渡された。
「無理しなくて良いのよ」
彼女には聞こえぬぐらい小さな声で俺の耳元で囁く。
「無理をする恋なんてしません」
ずっと一緒だった
ずっと隣にいた
だから…これからもずっと一緒にいようと…心に決めた |
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「悪いね。いきなりこんな事になってしまって…」
彼女の父が、眠り続ける彼女を見つめていた目線を俺に移して軽く頭を下げた。俺も慌てて、頭を下げる。あの時の事は良く覚えていない。
ただ、交通事故にあって…彼女を庇った俺が軽傷で…倒れた瞬間に強く頭を強打した彼女だけが、こうして今も眠り続けているという現実だけがそこにあった。
医者の話では、植物状態ではないのだという。夢を見ている状態。それが一番近い状態だと言っていた。夢現にこちらの声も聞こえているのだと言う。
正常ではないが、病気でもない。それが今の彼女の状態。
「彼女が目覚めるのを待つしかありません。」
医者が出した答えは、至極当然の結論だった。病気と断定できない以上、医者が出来ることは無かった。
「俺、毎日来ます…毎日、あいつに会いに来ます」
病院の入り口まで彼女の両親は俺を見送りに来てくれた。
「ありがとう…」
それだけ言うと、弱々しく微笑んだ。彼女の両親が俺に手を振っていた。
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「どうして…病院なんかにいるんだろうな…」
今日から夏休み…
終了式の日に告白するという計画は成功したものの…この未来は予想もしてなかった。
今頃、一緒にどこかに出かけたりしてるのだろうか。窓の外を見れば、俺達と同い年ぐらいの男女が並んで歩いている姿も見えた。
「昨日の記憶がさっぱり無いんだ…お前のことを助けるだけで精一杯だったのに…お前がこんな事になってしまってるから…混乱してんのかもな」
寝息を立てる彼女の隣に座り、俺は囁く。
「覚えてるか?」
瞳を瞑る彼女の目を見て囁く。
「ずっとずっと好きでした…付き合ってください」
二度目のその言葉
二度目の奇跡を信じて
「ずっと隣で何度でも言うよ。君が目覚めて、笑顔で答えを返してくれるその日まで」
物心ついた時から一緒だった…
物心ついた時から好きだった…
そんな彼への…二度目の告白。
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「悪いね。いきなりこんな事になってしまって…」
彼女の父が、眠り続ける彼女を見つめていた目線を俺に移して軽く頭を下げた。俺も慌てて、頭を下げる。あの時の事は良く覚えていない。
ただ、交通事故にあって…彼女を庇った俺が軽傷で…倒れた瞬間に強く頭を強打した彼女だけが、こうして今も眠り続けているという現実だけがそこにあった。
医者の話では、植物状態ではないのだという。夢を見ている状態。それが一番近い状態だと言っていた。夢現にこちらの声も聞こえているのだと言う。
正常ではないが、病気でもない。それが今の彼女の状態。
「彼女が目覚めるのを待つしかありません。」
医者が出した答えは、至極当然の結論だった。病気と断定できない以上、医者が出来ることは無かった。
「俺、毎日来ます…毎日、あいつに会いに来ます」
病院の入り口まで彼女の両親は俺を見送りに来てくれた。
「ありがとう…」
それだけ言うと、弱々しく微笑んだ。彼女の両親が俺に手を振っていた。
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「どうして…病院なんかにいるんだろうな…」
今日から夏休み…
終了式の日に告白するという計画は成功したものの…この未来は予想もしてなかった。
今頃、一緒にどこかに出かけたりしてるのだろうか。窓の外を見れば、俺達と同い年ぐらいの男女が並んで歩いている姿も見えた。
「昨日の記憶がさっぱり無いんだ…お前のことを助けるだけで精一杯だったのに…お前がこんな事になってしまってるから…混乱してんのかもな」
寝息を立てる彼女の隣に座り、俺は囁く。
「覚えてるか?」
瞳を瞑る彼女の目を見て囁く。
「ずっとずっと好きでした…付き合ってください」
二度目のその言葉
二度目の奇跡を信じて
「ずっと隣で何度でも言うよ。君が目覚めて、笑顔で答えを返してくれるその日まで」
物心ついた時から一緒だった…
物心ついた時から好きだった…
そんな彼への…二度目の告白。
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あの時の記憶は覚えていない。
好きな人に告白をして、彼女が微笑んでくれたことが嬉しくて…
明日からは、二人で同じ時間を共に過ごし、共に生き、共に歩めるのだと…
同じ道を同じ歩幅で歩んでいけるのだと…思っていた。
ここは閑静な住宅街の中に静かに佇む家の近くの市立病院。
---彼女は、今も眠り続けている---
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